「災害と復興と男女共同参画」シンポジウムを実行するためのMLで知り、この本を買い求めました。
福島県飯舘村(いいたてむら)の総合計画理念{までい}についてその活動をレポートしようと、2010年から製作が始まっており、発行をひかえた3月11日―震災と津波、そして原発の事故・・・飯舘村は当日から数千人の避難者を受け入れていたにもかかわらず、15日は飯館村の一部にも退避指示、そして、自主退避、「計画的避難区域」へ。
テレビで菅野村長の怒りや悲哀の表情を見た人は多いと思います。
この本は、もともと2010年から、この村のまでい、村民の活動をレポートする本として製作されました。
まえがきで、菅野村長は
「まさかこのような中で「までいの力」の発刊になろうとは。」と書き出しておられます。(3月28日)
そして、
「ここには2011年3月11日 午後2時46分以前の美しい飯舘村の姿があります」
という表題にはじまるのが本編です。
までいとは、手間ひま惜しまず、丁寧に心をこめてつつましくという意味で、東北地方で使われている方言だそうです。
- 「4次総合計画―基本構想、基本計画、地域別計画」
- 全国初、男性職員に育児休暇を義務付けた「パパクォータ制度」
- 村営の本屋さん
- 中学生が村長さんと語る会から誕生した中学校の前庭
- そして、農繁期に農家のお嫁さんたちをヨーロッパに派遣した「若妻の翼」
などなど。
たくさんの風景が、村民の皆さんが、そして村をかえていった様々なアイデアが、斬新な取組がつまっています。
放射能禍で苦しむこの村のことを、美しく、村民の皆さんがつながってきたこの村のことをあまりにも知らなかった自分を恥じながら、何度も何度もページをめくりました。
本の帯には「繋がっていれば決して負けない。」とあります。
「までいの村」SEED出版 2500円
本の収益は飯舘村の復興に役立てられます。
「までい」を「今風に言えば、エコ・もったいない・節約、思いやりの心・人々へのやさしさ」とのこと。
義援金というだけでなく、ほんとうに気づき、考えることの多い本です。ぜひ。