一ノ関から再びやまびこで40分、仙台市へ。
ホーム待合室では、
避難中の息子夫婦のところから役所への手続きをしに帰り、またもどろうとする高齢夫婦と息子夫婦の会話
…「すべて流されてしまったのに…生活保護がなんで受けられないのか」
「土地やら資産があるから」
「だっていまな~んもないんだよ、みーんな流れちまったんだよ」
「水道も基本料金は引き落としされるのか、ちゃんと手続きして止めといてくれた?」
「暇ないし、水道が使えないのに引き落としなんかしないよ」
…「市はだめだ、県に言おうか」「菅さんに言おうか(笑)」
…
車内には数十人の日本赤十字のユニフォームの若い方々が被災地支援からの帰りです。
仙台駅におりると…
阪神淡路大震災時の神戸・阪神間と梅田・大阪とのあまりの差―別世界だったことへの驚き、それと全く同じ感覚になりました。
にぎわう駅前、土曜日の夕方で、たくさんの人出です。
駅舎が修理のためカバーで覆われていることと、閉店時間が繰り上がっていること以外は、2004年に訪れたときよりもっと都会でした。
そのにぎわう駅前にあるアエルというショップ&オフィスビルに仙台市男女共同参画センター・エルソーラがあります。
28階は、研修室、相談室、託児室、事務室、29階は、交流スペースや図書資料ラウンジに本当にたくさんの方々がおられました。
親子も、女性たちのグループも、一人で本を読む人…見晴らしのよい広い窓からは被災した沿岸部も見えます。
画像は壁の新聞切り抜き記事の中のひとつ。
避難所暮らしの女性たちの問題点は、阪神淡路大震災でもたくさんあがりました。
2008年に「災害時における女性のニーズ調査~なぜ防災・災害復興対策に女性の視点が必要か」をまとめたNPO法人イコールネット仙台の代表理事宗片さんにお会いできました。
被災者女性たちへの支援の一例として「せんたくボランティア」について伺いました。
避難所の女性の希望者から洗濯物を預かり、一家庭ごとに袋に入れエルソーラに運ぶ→募集し登録した「せんたくボランティア」(現在登録者200人)に連絡→ボランティアがエルソーラに取りにこられ、自宅で洗濯→エルソーラに届けに来る→避難所の依頼者に届ける、というシステムです。
他人に下着を洗ってもらうことへのためらい、遠慮が大きく、利用される方は20人くらいだそうです。
被災者の真のニーズ、そして何か役に立ちたいと願う非被災者の意欲…『公平性』第一の行政の限界を超え、被災者と非被災者をつなぐ人や団体の存在、その力量に盛岡市と仙台市のNPOに見た一日でした。
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