2023年年12月7日(木)第18回定例会 一般質問に登壇しました。
長文になるので、まず1.市長が2023年11月28日に発表した「子ども子育てアクションプラン」について、以下は、質問の概要と答弁を書きます
①「産後ケア事業の拡充」と「児童ホーム開所時間の延長」を実現するにあたり障壁となるものは何か。
答弁 能島こども政策監
本市においては、妊娠期から子育て期にかかる切れ目のない支援を意識し、多様なニーズの把握や課題解決に向けた取組を進めるとともに、その評価を行っているが、アクションプランをまとめるにあたっては、こうした考え方も踏まえ、市長のリーダーシップのもと、全庁的に様々な取組の検討を行ってきた。
「産後ケア事業の拡充」は、宿泊型・通所型の担い手の不足が大きな課題となっていたが、市内の産婦人科医療機関や助産院との調整を進め、現在のところ宿泊型で3か所、通所型で5か所の施設が実施予定。
市外においても宿泊型8か所、通所型6か所の施設と事業の実施に向けて具体的な調整を進めており、今後は事業開始に向けて、各施設と具体的な支援内容等を調整し、より産婦の休息や子育て不安の解消を図ることができるような事業の構築に努める。
まちづくり提案箱などでも複数のご要望があった「児童ホーム開所時間の19時までの延長」は、従事する職員の勤務時間の変更に伴う人員体制の確保、育児や介護により19時までの勤務が困難な職員への配慮の仕組みづくり、事務の効率化による超過勤務の抑制など、職員が継続して働ける環境づくりが課題と考えている。施設責任者や現場職員、職員団体役員など様々な立場の職員で構成する検討会や職員団体などでの協議のほか、職員アンケートや説明会を行い、その対策を検討してきた。引き続き、職員配置体制の見直しやICT化の推進による事務の効率化などに取り組む。
② ベビーシッターの利用実態などについては、どのように把握しているか。
答弁 こども青少年局長
居宅訪問型認可外保育事業いわゆるベビーシッターは、本市への届出により保育を実施されている。ベビーシッターの利用実態は、毎年、運営状況報告として、ベビーシッターが保育を行っている児童の人数や、年齢別及び時間帯別の利用児童数、保育の質の向上や子どもの安全管理冒事故防止に関する研修の受講状況などについて書類を提出していただき、市が内容を確認している。
現在、10人のベビーシッターが届出されているが、4月1日現在の運営状況報告ではベビーシッター1人当たりの利用登録児童数は1人から5人で、児童1人の利用時間は2時間から4時間以下が多くを占めている。
10月17日にベビーシッターを対象とした認可外保育施設指導監督基準を満たすための集団指導を実施し、適正な保育を行うための講習や、虐待防止に関する演習、各自が作成した指導監督資料の点検等を行うとともに、事前に提出された書類に不備や指摘事項がある場合は改善していただくよう指導監督を行ったところである。
③企業や自治体によっては、ベビーシッターの割引券などを発行し、保護者負担を減らそうというものが見受けられるが、今回のアクションプランでは検討を進められるのか。
答弁要旨 こども青少年局長
待機児童の解消が喫緊の課題であり、まずは保育所の利用を希望する全ての方が安心して子どもを預けることができるよう、優先して様々な取組を検討している。現状においては、ベビーシッターの利用者が限られている中、今回の子ども・子育てアクションプランでは、ベビーシッターの割引券などの発行については検討していないが、今後の社会情勢の変化を含めて、様々なニーズやご意見等について傾聴したいと考えている。
④ファミリー世帯の就労の背景を見た上での施策、対策はどのように考えているのか。
答弁 こども政策監
「あまがさき子ども·子育てアクションプラン」は、共働きや核家族の増加といった、子育て世帯の就労状況についても十分に認識し、「『働く』も『子育て』も応援するまち」をコンセプトに策定を行った。
特に子育て中の共働き世帯にとって、時間的な負担が大きいと考えられることから、児童ホームの開所時間延長などの保育サービスの充実やICTを活用したサポートに取り組むほか、経済的な観点からも、共働き世帯を念頭に置いた保育料の引き下げなどを実施する。
「時間的負担」や「経済的負担」に、「心理的負担」を加えた3つの負担に対するサポートに取り組むとともに、プラスワンの取組として、「『働く』も『子育て』も応援するまちあまがさき」の積極的な情報発信を進める。
⑤アクションプランに保育料(D10、D9階層)の引き下げの記載があるが、この理由はどうか。
答弁 こども青少年局長
平成21年度、平成27年度、令和2年度に保育料体系の改正を行い、保育料の軽減、階層間の格差を縮めるため階層の細分化を行うなど、利用者負担の軽減を図ってきた。これまでの見直しでは、優先的に対象者数が多い低所得世帯及び中間所得世帯 を対象とした保育料の軽減を行ってきたことから、高所得世帯のD10とD9階層の保育料の見直しはこれまで一度も行っていなかった。
今回、見直しを進める理由は、阪神間近隣市と比較して保育料が高く、まちづくり提案箱などを通じて、「高所得世帯の保育料が他都市と比較して高いため見直しを求める」との声が頻繁に寄せられている。
阪神間の最も高い階層D10階層の保育料では、本市は月額93,600円、西宮市は月額84,400円、芦屋市は月額89,000円など本市を除く阪神間の平均は月額87,840円と、本市の保育料が阪神間で最も高い。
2つ目の理由として、本市では、これまで高所得世帯の保育料の改正は行っていなかったため、軽減を図ってきた中間所得以下の世帯と比較して相対的に世帯の負担が大きくなっていること。
3つ目の理由として、これまでの保育施設における階層別入所児童の構成割合を確認すると、高所得世帯の割合が増えている傾向にあり、更なるファミリー世帯の転入促進に向けて、高所得世帯の利用者負担の軽減を図る必要がある。
こうしたことから、この度、高所得世帯の保育料を阪神間他都市水準に引き下げる検討を行っている。
⑥私学を選び、市内外や県外へ通学する児童生徒学生たちについての見解は。
答弁
各家庭の教育に対するさまざまな考え方や諸事情の中で、子どもを私学へ進学させる保護者の方がいらっしゃることは認識している。議員ご指摘のように、そういった、私学に通う子どもたちにとっても、本市の高い交通利便性により、通学しやすい環境が整っているものと考えており、こうした本市の立地特性も生かしつつ、公立学校の充実・強化も含めまして、子どもや保護者の皆さんが自由に学びの場を選択できることが大切であると考えている。
あわせて、すべての子どもたちの健やかな育ちを支える、安全・安心のまちづくりに取り組んでいく。