2025年2月19日 本会議開会 松本眞市長が施政方針


2025年2月19日(水) 本会議開会。松本眞市長が施政方針を述べられました。約1万1千字でした。
https://www.city.amagasaki.hyogo.jp/shisei/1032493/1033609.html

私にとって最も印象に残りましたのは、「むすびに」の759文字の文です。

松本眞市長があげられたベネディクト・アンダーソン(1936年-2015年)は、大学時代に私が知ったのはインドネシア史の研究、調査の第一人者であり、スハルト政権下では入国禁止となっていた…という学びです。

久しぶりに思い出し、2009年に書かれた著書「越境を生きる ベネディクト・アンダーソン回想録」(岩波書店/2023.04.14刊)を注文しました。

が、まずは市長の施政方針、そして予算案をしっかりしなくてはなりません。3月下旬までの長い議会の始まりです。

・・・・以下、施政方針から最後の章を転記させていただきます。

 2015年に亡くなったベネディクト・アンダーソンという政治学者が、「想像の共同体」という書籍を残しています。
 会ったこともない同胞が、一つの「国民意識」を持つ、いわゆる「ナショナリズム」の起源について、言語や宗教、出版物の発展などから分析した書籍です。
 私は、学生時代にこの書籍の存在を知ってから、この「想像の共同体」という言葉を意識しながら、自分なりの行政への向き合い方を考えてまいりました。
 ナショナリズムは、強い結束力を作る一方で、一人ひとりの事情を捨象してしまうという意味で、暴力的でもあります。
 民主主義においては、市民と政治・行政との間に情報の非対称性が生じていることを前提として、そこを新聞等のメディアが翻訳・補完するという関係が成り立っています。
 SNSの普及により、様々な「市民」の感情や思いが、直接的に表現される昨今の状況において、その関係性が大きく変わりつつあり、分断と極端性が顕在化しつつあることを実感しています。
マクロな目で見たときに見える地域の経済社会情勢と、ミクロな目で見たときに見える一人ひとりが置かれた生活状況や感情は異なります。
 私自身、改めて、この点を心にとどめ、職務に向き合わないといけないと考えています。
 幸い、私たち人間には、本来、「共感」するという能力があります。
 常に謙虚に、そして、市民の皆様だけでなく、職員も含めて、それぞれが置かれている様々な立場について「想像」し、「共感」する努力を怠らず、その上で、心の通った温かい政策を実現し、それを説明できるよう、今後とも、全力で職務に邁進してまいります。
 どうぞ、議員の皆様、市民の皆様、引き続きのご支援とご協力を賜りますよう心からお願い申し上げ、私の施政方針演説とさせていただきいただきます。

以上で転記終わり


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