アルカイックホール・オクトで文楽公演をみました。
絵本太閤記の中の「夕顔棚の段」と「尼ヶ崎の段」
日高入相花王の中の「流し場の段」
財団法人 文楽協会が各地でも文楽を鑑賞できるようにという地方公演の一つです。
謀反後、豊臣から敗走する明智光秀を題材に、真柴久吉に追われる武智光秀をいさめるために、わざと息子の手にかかる母。
また、恋しい男がほかの女と逃げるのを追う清姫が、川を渡してもらえないという悲しみと怒りで大蛇に返信し川を渡る姿。
表情が変わらない人形が泣き、怒る様子、またCGなどでアクロバティックな動きに慣れてしまっているこの目にも、大蛇がまさに激流を渡る迫力が伝わってきたこと。
感動しました。
終わった後、ホールロビーで出会った知人が「こういう筋書きになっているのは、主君を裏切ってはいけない、上に逆らうなという教訓のために、それで何度も上演されたのだろうか」と。
私は「母は命を賭しても子をいさめるべきものという『母性』を説いたもの、また、女は恋のために化身してまで…なんと女性とは恐ろしい性(さが)か、と女をいさめるため?」と。
市バスで自宅からも職場からも15分から30分程度のところに大きなホールがある街にすんでいるのは幸せ、といってもなかなか行きたいものに都合が合わないことも多いのですが。
2010.03.18